広告業界における違法残業について【解決方法も】

 

広告業界における違法残業について【解決方法も】
私は、Web制作歴10年です。
また、労基広報のWeb更新のお仕事を受けていた経験があります。
広告業界に詳しく、労働基準法にも詳しいため、少しまとめたいと思います。

今回、広告最大手の会社が再び、労働基準法に違反したとして是正勧告を受けているようです。
少し前に大きな事件があったにもかかわらず、なぜ同じことが起こるのか考えてみました。
また、社員はどのように動けばいいのかをまとめてみます。

参考になれば幸いです。

▼読んでほしい人
  • 違法残業に困っている人
  • 違法残業をどうにかしたい人

広告業界の違法残業の実情

少し昔に大きな事件があった


少し昔に大きな事件がありました。

2015年12月、新入社員の女性が、社員寮から飛び降り自殺をしました。
その時24歳です。若いですね。

その時、1か月の時間外労働が130時間で、過労死ラインという80時間を大幅に超えているというものでした。
また、パワハラやセクハラの被害を疑わせるようなSNSの書き込みもあったようです。
それにより、女性はうつ病を発症し、最終的には自殺に追い込まれていったという事件です。

なんともいたたまれない事件ですし、我々クリエイターは他人事にはできない問題です。

先日は私がまとめた記事で『Webデザイナーはブラックが多いです【Web業界の闇】』というものがあります。
これを読んでいただくとなぜ、残業が増えるのかがわかります。
Webデザイナーはブラックが多いです【Web業界の闇】

Web業界は、広告業界に含まれますので、同じことが言えます。

今回の場合は、最大手ですので、少し違う部分もあるかもしれませんが参考になると思います。


そのあと会社全体で見直しがあった


そのあと会社全体で見直しがありました。

その後、「自社の利益を優先させ、違法な残業が常態化していた」ということで、裁判所で判決下り、結審しました。

それにより、以下のルールが変わったようです。

  • 22時以降の残業を原則禁止
  • 22時~翌5時まで全館消灯(電気は個別につけられない)
  • 残業の上限を法定外月間50時間(所定外月間70時間)から5時間引き下げる
  • 過重労働問題の再発防止を目的とした「電通労働環境改革本部」が発足

ただし、ルールを縛っただけというのが社員の意見です。
一番の問題である『業務量』が変わっていないようです。
社員も会社全体が変わる必要があると考えています。

また再発している


また再発しています。

そして、2019年9月に再度、労働基準法と労働安全衛生法に違反したして、動労基準監督署から是正勧告を受けています

社員の違法残業や、残業時間の上限を定めている労使協定(36〈サブロク〉協定)の違法な延長などを指摘されています。


なぜ、起こるのか


なぜ、このようなことが起こるのか。

『そうしないと仕事が回らない』からです。
そして、『それで成長してきた会社』でもあるからです。

やはり、会社として“今まで”はこうやっていたというのは人間心理の中に深く根付いています
ルールが決まったから、「やれ」と言っても人間の意識を変えるのには時間がかかります

ましてや、大きな会社ですので、並大抵のことではないはずです。
しかし、それを変えていかないと同じことが起きるのです。

違法残業の解決方法

社員は数字を意識して、上司に訴える


社員は数字を意識して、上司に訴えましょう。

そもそも、違法残業というのは、極論売り上げが足りていないからするです。
売り上げが足りているのであれば、お仕事断ることもできます。

つまり、社員全体で数字の意識を強化していくことが違法残業の改善につながるのではないかと考えます。
とくに、デザイナーやコーダー、ライターなどで売り上げに直接関与しないような職の人です。

上司も、数字が上がっていれば、文句は言えません。
それでも文句をいうようであれば、それは組織としておかしいのです。

数字の意識を高めていくことが、改善につながります


魔法使いではない、クライアントも考える時期


魔法使いではない、クライアントも考える時期です。

これは私も経験があります。
残業につながっている1つの原因は、クライアントの無茶な注文があります。

例えば、金曜日の夕方にとてつもない分量の発注がきて、納期が月曜の朝だったりなどです。
広告会社も、基本的に土日休みが多いです。
金曜日のその時間に仕事が来ると、ただでさえ仕事量が多いのに、土日も出る必要がでてきます。

この要求は、もはや魔法使いか、妖精が勝手に仕事しておいてくれると思っているのかと感じることがあります。

広告会社もサービス業ですので、そういった無理な注文も受けないといけないことがあります。
ですが、それが積もり積もって、違法残業になっていっている部分があります。

そこは、クライアント側も少しは汲んであげないといけない部分ではあるかもしれません。
ある意味、あなたの注文で死人がでるかもしれないのです。

それでもダメなら、会社のために労基に報告する


それでもダメなら、会社のために労基に報告しましょう

売り上げがあるのに、違法残業がある等の場合は、組織全体がおかしくなっていると考えるべきです。
その場合は、労働基準監督署に報告しましょう。

その時に必要なものがあります。
それは『証拠』です。

とにかく、違法残業が多いことを証明できる証拠を集めておいてください。
『タイムカードのコピー』、『就業規則』などです。

あきらかに数字として、おかしい部分があれば労働基準監督署も動きやすいのです。
逆にすごい大変だ、すごい労働時間が長いとあいまいな言葉で言ってもなかなか動くに動けないのです。

最近では、IFFFFT(イフト)のような、会社の半径500mを出ると打刻するようなアプリもありますので、使ってみるといいでしょう。
自動的に正確な数字を証拠として集められます

その証拠を持って労働基準監督署に報告に行きましょう
それは、会社のことを思っていくわけですから、胸を張っていけばいいのです。

まとめ


広告業界の違法残業は、常態化していると言えるでしょう。
これは最大手で、これなのですから、地方の小さな広告会社はさらにひどい状態かもしれません。

私の経験上、タイムカードすらないような会社もあります。
全てみなし残業です。

いまだにそういう会社もあります。

会社経営者も考えるべきですし、社員もただ耐えるだけなく行動起こしていく時期なのかもしれません。

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